家中がお茶屋さんの香りに。お茶好きの私が「焙烙(ほうろく)」を手放せなくなった理由

台所と道具

焼きや陶器で作られた、茶葉やゴマを乾煎りするための昔ながらの台所道具「焙烙(ほうろく)」をご存知でしょうか。

一見すると「少しマニアックな道具」に思えますが、我が家の台所ではほぼ毎日のように出番がある、なくてはならない相棒になっています。

今回は、日々の食卓の「香り」と「味」を劇的に引き上げてくれる焙烙の魅力や、我が家でのリアルな活用法をご紹介します。

きっかけは「煎りたてのほうじ茶」が飲みたかったこと

そもそもの始まりは、自宅で美味しいほうじ茶を作ってみたいと思い立ったことでした。

昔から日本茶が好きで各地のお茶を取り寄せてきましたが、飲み比べるうちにひとつの結論に達しました。

「ほうじ茶に関しては、元の茶葉のグレードよりも、とにかく『煎りたて』であることの方が圧倒的に美味しいのではないか?」

それならば家で自分で煎ればいいのではと思い立ち、手に入れたのが焙烙です。

安い茶葉でも極上の味と香りに化ける

使う茶葉は、高級なものではなく手頃な「茎茶」などで十分です。

  1. 焙烙に茶葉を入れる
  2. 弱火にかけ、本体をゆすりながらじっくり熱を通す
  3. 煙と香りを確かめながら、好みの焙煎度で火を止める

火にかけるとたちまち家中に、まるでお茶屋さんの前を通った時のような、香ばしく甘いえも言われぬ良い香りが立ち込めます。天然のアロマで家中が満たされ、直後には極上の煎りたてほうじ茶が飲めるという、まさに一石二鳥の贅沢な時間を日常的に楽しめます。

我が家で一番出番が多いのは、実はお茶ではなく「ゴマ」

ほうじ茶作りのために迎えた焙烙ですが、現在もっとも活躍しているのはお茶ではなく「ゴマ」です。

市販のすりごまでは得られない栄養と風味

ゴマは栄養価が非常に高い食材ですが、硬い皮に覆われているため、粒のまま摂取しても消化されずにそのまま体外へ排出されてしまいます。栄養をしっかり吸収するためには「すり潰す」工程が欠かせません。

しかし、ゴマはすり潰した瞬間から急激に酸化が進みます。そのため、最初から擦られた状態で売られている市販のすりごまは、風味も栄養面でもあまりおすすめできません。

  • 食べる直前に自分で煎る
  • 煎りたてをその場ですり鉢ですり潰す

味・栄養の双方において、このサイクルが一番確実です。

煎りたて・擦りたてで作る「自家製ごま塩」の破壊力

焙烙でパチパチと音がするまで香ばしく煎り、すり鉢でゴリゴリと擦る。この「煎りたて・擦りたて」のゴマは本当に絶品です。

これに美味しいお塩を混ぜて作る「自家製ごま塩」は、市販のものとは比べ物になりません。息子も大のお気に入りで、「これさえあれば白いご飯が無限に進む」と絶賛する我が家の定番常備菜になりました。

ナッツやスパイスの乾煎りにも。計算し尽くされた「機能美」

お茶やゴマ以外にも、焙烙の活躍の場はたくさんあります。

  • 少量のナッツのロースト(サラダのトッピングやお菓子作り)
  • ホールスパイスの乾煎り(カレーや炒め物で香りを立たせたいとき)

わざわざフライパンを出すまでもない少量の乾煎りにおいて、手軽さと熱回りの良さで圧倒的に使い勝手が優れています。

持ち手からスルッと移せる構造が秀逸

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そして何より感動するのが、その計算された「形」です。

焙烙は持ち手(取っ手)の部分が空洞になっていて、本体とつながっています。そのため、煎り終わったあとに焙烙を手前に傾けると、持ち手の先端の穴からサラサラ〜っとそのまま保存容器やすり鉢へ中身を移すことができます。

フライパンのように周りからこぼれてしまうストレスが一切なく、最後の一粒まで気持ちよく移し替えられる。昔の人の知恵が詰まったこの機能美には、使うたびに惚れ惚れしてしまいます。

まとめ:道具ひとつで日々の食卓が格段にレベルアップする

焙烙がひとつ台所にあるだけで、日々の食卓の「香り」と「味」が格段にレベルアップします。

特別な技術は必要なく、火にかけて軽くゆするだけ。台所でのちょっとした手仕事が好きな方には、心からおすすめしたい名品です。

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